データ至上主義とwebデザイン

Douglas Bowman (Stopdesignの中の人)がGoogleを退社したそうです。

Goodbye, Google | Stopdesign
グーグルのビジュアルデザイン責任者が退職--データ中心主義に嫌気 - CNET Japan

そう、Googleでは2種類の青色のいずれかで決めかねたら41の中間色をテストして最もパフォーマンスのよいものを選ぶというのは事実なのだ。
先日、境界線の幅を3ピクセル、4ピクセル、5ピクセルのいずれにするかが問題になったとき、自分の意見を証明するよう求められた。このような環境で仕事をすることはできない。そうした些細なデザインの決定を論じるのにはもううんざりだ。

webに関する「開発、デザイン」は常に数字を問われている。PV/UU、CTR、購買率、脱落率、巡回率、それに開発/制作にかかった工数と費用対効果。数字を出すことは大事だし、常に分析して次の施策に生かすべきなんだろうけど、モノを作ると言うことにはそれだけでは計りきれない部分があることを分かってほしいなと思う。特にGoogleみたいな会社の上層部には。

「一般にウェブでは、(サイトの制作は)芸術よりも設計の要素がはるかに大きい。(中略)差が小さい場合でも正しいものを数学的に選択できる」

自分もWebサイトのUI設計に関わる業務を行っているのでわりとこう思いがちなんだけど、人が集まって共同で物を作るときには、時に数値化できない、言語化できないことが起こりうるし、それが思いもよらない効果を出すこともある。それは数字の積み立てからは決して導き出せない解だったりもします。いいデザインがあがってくればエンジニアもモチベーションも上がるし、お互いに高めあうような「流れ」ができればそのプロジェクトはうまくいく。その逆もしかり。結局は人が作ってるんだしね。

なにより、そういった瞬間を味わいたいから、会社でホームページを量産し続けているっていう気持ちも個人的にはあります。どれだけつまらないことが多くても、ぱっとしないサービスを作ることが多くても。